もののふと巫女/// site top / text index



もののふと巫女

「あなた、死に急ぐのね。傷だらけだわ」

「そんなことあらへんがな」

生まれてずっと神域に隠されていたという黒髪の美しいその女は、巫女らしく白単に白袴で。

綺麗に化粧をして。

神のために。

「布を替えましょう。……血がにじんでるわ」

「いらん。無駄や。すぐにまた、斬り合うんやからな」

あんたのその白に、移したくはない。

俺の血の色など。俗世の穢れなど。

「逃げ込ませてもらって、おおきに。もう出るわ」

   
ここに、争いなど、あってはならない。

あんたの傍には。


end



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